ひゃくえむ。【感想】

まあ感想書くやろ。チ。大好きだし良い映画だから。

正直書くつもりはなかったけど。観たら書かずにはいられない。はっきり言って気に入った。

原作は読んだ。ふつう。良い作品だとは思うけど。『ひゃくえむ。』公開。スルーした。

配信される。観る。なにこれ?面白くね?原作を読み直す。めちゃくちゃ面白い。

という流れ。原作知っているから詳しく感想書ける。

目次

基本情報

2025年公開 上映時間106分

監督:岩井澤健治

脚本:むとうやすゆき

原作:魚豊

主人公の声優:トガシ・松阪桃李 小宮・染谷将太

あらすじ

ひゃくえむは100メートルのこと。つまり陸上の短距離走の花形距離。100メートル走の物語。

トガシは生まれつき足が速い。足の速さを自分のキャラにしていた。

小宮はつらい現実から逃げるために走っていた。走って現実逃避。走るのは遅い。

トガシと小宮は出会い一緒に走るようになる。トガシが小宮に走り方を教える。

2人は100メートルの距離に人生をかける。

3つの時期

時代は3つ。小学校、高校、社会人。

トガシと小宮が出会う小学生時代。高校生は別の学校へ行き陸上と向き合う。社会人になって二人は陸上をやっているのか。

見所

走るとは?哲学している。それも100メートル走のことで。

映像

実写みたいな動き。ロストコープと言う実写映像をベースに作るやり方。

陸上アニメだけに走るシーンはなかなかに良い。人それぞれに走り方が違う。

レース前の選手紹介とかじっくり見せてくれる。総じてキレイな絵だった。

人間ドラマ

100メートル走なんて約10秒で終わる。数々のレースが行われる。

レースの前や後にドラマがある。

それは走ることに対しての考え。陸上を通じての人間関係とか。

走る理由は人それぞれ。そして速く走るために必要なこと。この辺りは人間ドラマとして見れる。

トガシと小宮

2人の主人公。それぞれに走る理由がある。そして考え方がある。

友達だったりライバルだったり。

どっちも悩んだり試行錯誤しながら走っていく。

物語の最後には同じレースに出る。そのまでの2人の道のりが面白い。

ここからネタバレ

【ネタバレ注意】ここより先は結末に関するネタバレがあります。

まずはトガシと小宮について

トガシ

小学生の頃から速かった。でも少し冷めた雰囲気。足が速いから自分の地位があることを理解している。

中学時代に限界を感じたのか高校では陸上をやらない。予定だったが、または走ることに。

高校1年生でも速くて全国行く。決勝で小宮と再会。対戦する。

社会人になっても陸上を続けている。でもギリギリの状況。いい感じで走れるようになったところで怪我。怪我を治している時間はない。

怪我を抱えた状態で作中最後のレースに挑む。

小宮

小学生の頃。嫌な現実から逃れたくて走っていた。でも遅かった。トガシと出会い、走り方を教えてもらう。速くなってきてトガシに勝負を挑む。その後転校してしまう。

中学時代は部活に入らず、高校から陸上部に入る。スピードはあるが後半の失速が欠点だった。財津と言うランナーに質問をする。そこから覚醒。

頭角を現し全国へ。決勝でトガシと走る。

社会人になっても陸上は続けていて、顔になっている。記録を出すことを目標にストイックに頑張っている。

自分の走る意味を考えながらもトガシとの決勝戦に挑む。

原作との違い

ストーリーは省略されている。特に高校生時代。

トガシは陸上部復活のためにアメフト部との体育祭で対決する。これが映画だと大会になっている。陸上部にオタクぽい男子が登場する。映画にはいない。女子が二人になっている。

小学生時代も省略された。いじめっ子みたいなやつがいる。

細かい変更もある。小学生のトガシVS小宮の結末。漫画だと骨折していた。

良い影響

心情をカットしている。これが良い演出になっている。

100メートルを走っている時に「もっと行ける」「もうダメか」みたいな気持ちのセリフが漫画にはある。何を考えているかわかる。

映画だとただ走るだけ。絵がキレイだから観てられる。観て想像するのが映画的。

解説

トガシが走る理由

トガシが走る理由。それは足が速かったから。それだけ。

走る才能があったから、小学生の頃からそれを利用していた。

高校生になると走ることをやめている。それは記録が伸びなくなって、抜かれることを恐れたからに違いない。

この物語はトガシが走る意味を見出す物語。原作だとセリフで出る。

小宮の才能

小宮は小学生の頃は足が遅い。走り方ができてない問題があってそれをトガシが教える。

思うに昔から才能はあった。だってずっと走っているもの。体力がある。

質問シーンでは芯食ったこと聞いてた。考え方が競技者のマインドだった。

小学生ラストでのトガシとの競争。あのガチさはトガシにはないものだった。

小宮の小学生時代の走っていた理由が【現実がぼやけるから】つまり現実逃避。海棠さん。

いろんなキャラ

いろんな足が速いやつが登場。財津と海棠。彼らの存在はインパクトを残した。

財津

作中最強の男と言っていいでしょう。日本記録保持者。

でも彼を倒すって展開にはならない。小宮の高校時代に講演にきた。小宮は質問してそれによって速くなった。

かなりサラっといるから強者だと気づかない説はある。

しかも作中最後のレースで準決勝で負けて引退する。作中最強の男はモブあつかい。

海棠

彼が面白い存在。オープニングのナレーションと声が一緒。津田健次郎。

財前の少し年上でいつも負けている。

でも彼の哲学が面白くて、現実で勝てないならその現実を逃避する。リアル現実逃避で足が速くなる。わけわからん。

ひゃくえむ。の結論

僕が思うに、この作品が言いたいことは本気でやれば、それが好きになるってこと。

トガシは才能があったから陸上を続けていた。小宮は嫌な現実を忘れるために走っていた。

この主役たちは走ることが楽しいとか好きとか言わないし思っていない。

それがラストの100メートルで楽しそうに感情を爆発させて走っている。これが結論。

漫画だとセリフで言っていた。走ることが好きだって。でもそれはガチでやったから。

感想

思い出した作品

作者:魚豊の作品【チ。】とか似ている。当然だけど。

チ。では地動説に、ひゃくえむ。では走ることに、人生を懸けている。

その意味を追い続ける感じが共通点。極端な思想を持つキャラが登場する。海棠はノヴァクかな?

松本大洋のピンポンに近しいものがある。

登場人物はほぼドラゴン。そこにスマイルとアクマの要素がある。ラストのレースと結末はペコって感じ。

漫画の演出(特にラストレース)にもピンポン感を感じた。小宮のスパート懸ける感じがドラゴンの試合。

地味に好きなシーン

トガシは高校に入ると陸上部に入らない。でも陸上部に先輩に見つかる。

その陸上部の先輩に走りを見せてほしい頼まれる。入部しなくてもいいから。そして1回走って見せる。

陸上部に入部した。

入部すると部長に部の活動をしてもらうために尋ねる。昔は速かったが挫折した元ランナー。

説得の仕方はシンプル。100メートル走りましょうってこと。

部長は久しぶりに全力疾走。思ったように走れず全然遅い。

部活に戻ってくる。

走ることをやめていた2人は100メートルを走ったらまた走り出した。やっぱり走ることが好きなんだってことが良い。

地味に好きなセリフ

10秒

セリフと言うか考え方。

引きこもりの部長を説得する時に少しだけ付き合ってほしいと言う。その時間が『10秒』

財前は引退後に言う。『極上の10秒を味わえ』漫画で言ってた『試合終了まで10秒』

100メートルが速い人は大体10秒ほどで走る。この走ることを10秒というのがなんか好き。

まとめ

100メートルを誰よりも速く走れば解決する

この極端さが魚豊だわ。でもこの価値観は分からんでもない。だって小学生のころは近い感覚あった。

足速い子供がモテる。

スポーツでこんなにシンプルな評価基準はない。ボールを使うスポーツなら扱う技術がいる。チームスポーツなら戦術も。しかも決着が最速。約10秒。これを題材にすることがすごい。

トガシは子供の頃に真理のようにこの言葉を言う。でも最後には楽しそうに言う。同じセリフなのに感じ方が変わった。

本気になる為

これもシンプルな考え方。何のために走るのか。ガチになるために。

トガシが言ってた。『人間が本気でいる時の幸福感を奪うことはできない』かなりチ。感ある。

この映画に関しては走ることだと思う。でも人にはそれぞれにガチになれることがあって、それを突き詰めることが幸福だってこと。このガチって考え方はとても普遍的だった。

100メートルに人生を懸けた物語。ラストの2人のガチの走りを見たら不思議と頑張ろうと思えた、良い映画だった。

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