原題:Easy A 2010年公開アメリカ映画 92分
この邦題きらい。小悪魔ってなに?イージーAでよくないか?
昔の邦題はひどいのが多いと思う。今よりも。
なんかダサくて、タイトルで観ようと思わない。B級ぽさが出る。
この映画もおバカコメディに見えるがいい映画なんです。だから感想書こう。
情報
easyは尻軽の意味がある。easy Aは【簡単にAを取れる】ということと【簡単に注目される】【簡単に性的関係を持つ女性】のタイトル。あとは緋文字の関係のA。
監督はウィル・グラック。ステイ・フレンズの監督。ステイ・フレンズも面白い映画。
ピーターラビットを監督している。知ってる有名。興味なかったけど観たくなった。
主演はエマ・ストーン。この作品が初主演。いまは大女優。
脚本はバート・V・ロイヤル。古典文学を現代の学園ドラマにする構想があって、他にもアイデアがあった。実現はしていない。
あらすじ
主人公が見栄をはってセックスしたと嘘をつく。嘘が噂で広まる。
人がいい主人公はモテない男子たちの偽装セックスの相手として協力していく。
するとさらに噂が広まり嫌われていく主人公。でどうなるかって話。
この映画は主人公がこれまであった出来事を説明する。インターネットで配信いている構造。
いまこそ普通に配信する時代だけど、この映画は割と昔。この時代では新しい。
緋文字
緋文字はこの映画の重要な要素。緋文字を現代風に作った感じ。
緋文字は簡単に説明すると主人公へスターが牧師と不倫してその人との子供ができる。
姦通の罪で裁かれて姦通者(Adulterer)のAの文字を服に縫われる罰を受ける。
差別されながら暮らしてく。だんだんと尊敬されていくというストーリー。
だから今作でエマストーン(オリーブ)は服にAの文字を刺繍する。
なぜそれをやったのかは授業で緋文字を習っていたから。
噂の違い
この映画はセックスした嘘が拡散される。
オリーブ(女性)の場合はアバズレとかのうわさが流れるのに。男性(偽装)だと一皮むけた的な。ちょっと評価が上がったりする。
男はモテると英雄で女はモテると尻軽。そんなテーマもあり、それを緋文字になぞらえている。
80年代の映画
80年代の青春映画をやろうとしている。特にジョン・ヒューズ。
セリフでも出てくるしオマージュもある。
「ジョン・キューザックに家の外でラジカセを抱えてほしい→セイ・エニシング」
「パトリック・デンプシーと芝刈り機で走り去りたい→キャント・バイ・ミー・ラブ」
「すてきな片思いのジェイクが教会の外で待っていてくれたら→すてきな片思い」
「チャド・ネルソンが私を手に入れたとガッツポーズしてほしい→ブレックファスト・クラブ」
「人前で歌うのもいいな理由はないけど→フェリスはある朝突然に」
主人公のセリフ。
目次【ネタバレ】
オリーブが配信する時に自分で章を作って語る。そのメモ。大体ストーリーが分かる。
- (パート1)そもそも私が大学生と寝てヴァージンを失った話がウソである件について
- (パート2)偽りの言葉が伝わる速さについて
- (パート3)淑女の選択と紳士の合意
- (パート4)私が家庭を壊す女になった過程について
- (パート5)大々的な終演
パート1
そもそもなぜ処女を失ったと嘘をついたのか。
親友に誘われた家族キャンプに行きたくなかったから。
親友の家族はヒッピーぽくて半裸でマリファナ。みたいな感じが疲れるから断った。
用事があると言う。兄の友達のジョージとデートと嘘をつく。さらにセックスしたと嘘をつく。
その話をマリアンヌに聞かれて拡散される。
パート2
マリアンヌは生徒会長。十字架クラブ(神に純潔を誓う会)。だからセックスに厳しい。
そこから情報が拡散された。嘘は瞬く間に広がる。
目立つようになる。
その時に授業で【緋文字】を習った。授業中言い合いになって校長室に呼ばれる。
校長は問題起こすなって感じ。ボーナスが出ないから。
居残りで掃除。ゲイの少年と。
パート3
ゲイだからいじめられている少年。オリーブにセックスしたふりをしてほしいと頼む。
そうしたらいじめられないとか。オリーブは協力する。
パーティーに乗り込み偽装セックス。作戦は成功してゲイ少年はいじめから逃れる。
オリーブは見返りを貰う。その後、似た依頼が多数来る。ギフトカードやクーポン券をもらい偽装していく。そしたらアバズレ認定された。
オリーブは服に【A】を刺繍して登校するようになる。
パート4
緋文字を教えてくれた先生。この人は本質を分かっている。オリーブのウソに気づいていた。
先生の奥さんが学校でカウンセリングをしている。でもこの人は分かってなかった。
そのあと、なぜか一瞬マリアンヌと仲良くなる。話を聞いてあげたら懐いてきた。一瞬だけ。
マリアンヌの彼氏が性病になった。それをオリーブのせいにした。それで仲悪くなる。友情は一瞬で終わる。
マリアンヌの彼氏はカウンセリングの先生とデキていた。性病はここで。その出来事をオリーブは引き受けた。
でも最後に真実を話す時にカウンセラーが抵抗してくる。それに怒って先生に真実を話してしまう。
それで離婚した。
パート5
オリーブは全てを告白することにする。それはガチでデートに誘われたと思ったら、それもギフトカードでセックスしようとしてきたから。偽装じゃなくて。
真実を話そうにもいままでの依頼主、カウンセラーは協力してくれない。新しい環境、評判を捨てられないから。
だからウェブで生配信して真実を話した。主人公の名誉は守られた。
最後にはトッドと付き合う。でもそれは「誰にも関係ないことだ」と言う。いい感じにおわる。
オリーブ・ペンダーガスト
オリーブはILOVEのアナグラム。ペンダーガストもアナグラムなっている。
【penderghast】は【pretend shag】になる。これは【セックスごっこ】の意味になる。
オリーブは知的でユーモアがある魅力的な主人公。僕が本当に好きなのは嘘ついてキャンプに行かなかったときに何をしていたのか。
おばあさんがくれた音の出るカードを流してずっと歌っていた。電池がなくなるまで。ずっと。
毎回このシーンを見て「あほやなー」と思いながら好きになる。
トッド
イケメンくん。高校のマスコットキャラをやっている。
オリーブが中学生の頃に7分間ゲームで一緒になる。
7分間ゲームは7分間二人きりになるゲーム(?)。なんかキスする。トッドはオリーブにキスしたことにしてもらった。昔からやったふりをしていた。
オリーブはトッドが好きだった。それはショックよね。
オリーブのうわさを信じていなかったキャラ。なぜなら自分がやったふりをしてもらったことを覚えていたから。
80年代の青春映画のキャラみたいな男。ジョン・ヒューズの映画に出てきそうな理想の男性は彼のことだった。騎士道精神ってやつか。
でも意外と何もしてない。ただ信じてただけ。少しは助けろ。
家族
オリーブは両親と血が繋がっていない。
黒人の弟がいる。兄もいる。架空デートの相手が兄の友達と言っていた。
面白い両親で養子のこともネタにして話したり、家族で映画観ていて良き家族。
特に母親には相談もしていて、学校で仲間がいない中で味方になってくれていた。
楽しい家族なので観る時は注目するのがおすすめ。
両親の名前がディルとローズマリー。弟はチップ。兄はケール。植物の名前。
ブランドン
ゲイの少年で、偽装のきっかけを作った男。
終盤でオリーブが真実を話そうと決意した時には黒人の男性と駆け落ちしていた。
そしてラストには二人で映画か何かを見ていた。その作品がたぶん【ハックルベリー・フィン】。
これは緋文字の話をする時にオリーブが触れていた。黒人と逃げたい10代の男の子がいるわけないって言ってた。いたね。
ブランドンのモデルは脚本のバート・V・ロイヤル。彼はゲイだった。ただ彼は高校は通信で、通ったことがなかった。
オマージュ
ジョン・ヒューズへのオマージュは多々あると思う。
- そもそもの構造。ウェブカメラに語りかけるのは第四の壁を突破している。フェリスはある朝突然にの手法。
- 友達のキャンプをキャンセルした週末。シャワーでモヒカンにする。フェリスはある朝突然に。
- ラストの壮行会で歌って踊る。フィリスはある朝突然にで歌って踊る。
- ギターの練習をしている時に母に言うセリフ。フェリスはある朝突然にでクラリネットを演奏していうセリフ。
フェリスはある朝突然にっぽさが多い。まあセリフで「ジョンヒューズの映画みたいな」とか出てくる。
ラストのトッドは芝刈り機の上で音楽かけて(ラジカセではないがスピーカー)待っている。
芝刈り機に乗って最後にはガッツポーズをする。理想のことやってくれた!
ちなみに最後のエンドロールで流れる道でも景色は芝刈り機のスピード。
感想
性的ダブルスタンダードとか言うやつ。男女で同じことをしても評価が異なること。
それについては考えさせられる映画だ。自分も無意識に思っていることあるなー。とか思う。
それは重要なことだけど、それより言いたいのはこの映画面白いよってこと。
魅力的な主人公に、コミカルで面白い会話。
この映画でエマ・ストーン売れたなって思うもん。
古典文学の緋文字に、80年代の映画たち(ジョンヒューズ)。色々な要素が詰まっていてもう一回観れば新しい発見がある。とりまフェリスはある朝突然にをまた観たい。
あとこの映画にはオレンジが頻繁に登場する。芸術的な表現らしい。今度観る時は探そう。
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