Aftersun 2022年イギリス・アメリカ映画 1時間42分
A24配給(製作?) 今はA24の映画が面白い というか評価高い人気
僕が観た時には吹き替えがなかった。サムネはセンス良さそう。
ストーリーは淡々としている。これはなんの話だ?とか思ったけど最後まで観るとわかる。
2回観ることを推奨する。てか2回目でより感動できた。
aftersunの意味
アフターサンは日焼けあとの意味。
日焼けの後に塗るクリームやローションのこと。作中でも塗っていたような。でもあれは日焼け止めかも。
日焼けって火傷ですから。それをケアするように過去を振り返る的なこと。
日焼けのあとはヒリヒリする。そんな感覚もタイトルにぴったり。
監督
監督:シャーロット・ウェルズ 長編デビュー作 女性監督
アフターサンで数々の賞を受賞。監督賞や新人監督賞。
今作は監督の自伝的要素あり 若い父親とトルコで過ごした夏休みがベース
評価
ロッテントマトのトマトメーターが95%フレッシュ!ポップコーンメーター82%(僕が見た時は!)
評論家にもお客にも評価高い。これは絶対いい映画。あとは好みかどうか。
主演はポール・メルカス。グラディエーター2で主演する。これはすごいと思う。たぶんこれからくる俳優だと思う。今作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされてた。
異人たちで見たことある。隣人のゲイですごい良かった。注目。
ポールメルカスが親父のカラム役。娘のソフィ役がフランキー・コリオ。なんかいい演技してたって。新星。
ストーリー
話は父と娘の旅行。1990年代後半。
別々に暮らしている中でたまに二人で休暇を過ごしている。
ふたりで泳いだり歌ったり踊ったり。
父親カラムは30歳。娘ソフィは11歳。兄妹に間違えられる。
色々して楽しんでいるがカラムの様子が変。謎の行動する。
途中ストロボの中でたたずむ女性、踊っている人のシーンが入る。
その女性は20年後のソフィ。どういうことなのか?
ビデオ
冒頭のカチャカチャ音。これはビデオを再生するときの音。
テープを入れたり巻き戻したり。
作中ビデオカメラで撮影している。その思い出を振り返りながら話が進んでる。
途中にこのビデオを見ている女性が出てくる。それが大人ソフィ。
家庭用のビデオで撮っている。miniDV。画質が荒くてなんかエモーい。
35mmフィルムの映像と対比。よくわからんがメランコリックな映像や。(メランコリック=憂鬱な)
旅行先
2人が旅するのはトルコ。リゾート地のオルデニズ。
ビーチがある。いい天気。
海水浴できる。スキューバダイビング、パラグライダーもできる。
クレオパトラが来た泥風呂とかある。
オルデニズはトルコ語で死海と言う、勘ぐる名前。
休暇中にすること
カラムとソフィがすることは
プールに入ったり、海に入ったり。スキューバダイビングする。
ビリヤードをする。ソフィはアーケードゲームをする。バイクのゲーム。
外で横になってゆっくりしてる。部屋でもゆっくり。ご飯を食べに出かける。
バスに乗って泥風呂に行ったり、絨毯を見たりする。
カラオケナイトに参加。ダンスにも参加。バカンスしてる。
カラムの行動
太極拳(忍者の動き)をしている。
娘の前ではタバコを吸わない。でも寝た後に喫煙してる。
腕にギプスをしている。それを切る時の動きが変。そもそもなんで怪我?
歯磨き中に唾を吐く。歯磨き粉だらけの唾を。
ベランダの手すりの上でたたずむ。
車(バス)が走っている道路を突っ切って歩く。
真っ暗な夜の海に突っ込む。真っ裸でベッドで寝てる。
カラムの感情
ネタバレするけど父親は鬱。自殺願望がある。
だから危ない行動をしている。多々ある無謀行動はその願望。
この映画は2度見たくなると言われてた。それは2回目に見るとカラムの自殺願望がわかるから。
ヒントはあってセリフで「30歳まで生きれると思わなかった」と言っている。
鏡に唾吐くのも自己嫌悪のアクション。
ベランダに立ったり、バスを横切ったり、海に消えていくのも死に鈍感。
年齢
カラムは31歳になる。29~30歳には意味がありすぎる。だから作中では30から31歳になった。
逆に言うと意味が薄くなるのは鬱にはきつい。
ビデオを見返す大人ソフィも31歳になる。そして回想している。
子供ソフィは11歳。思春期に入るところ。
だからか年上の若者がキスしているのをよく見ている。自分もしている。
親父と微妙に距離をとる。日焼け止め断ったり。
肝が冷える
カラムの複雑な感情を知って観るとひやひやする瞬間がある。
ソフィはそんなこと知らないから仕方がないけれど。
泥風呂に入っている時にクレオパトラが自殺した説を話すソフィ。やめろって。
カラオケナイトでカラムが歌わないことにガチギレ。その後に海に行っていた。
道路に落ちているタバコを拾い吸う。危うさがある。
一番ヤバいのはソフィが観光客に協力してもらって、みんなで歌を唄うシーン。カラムの誕生日を祝って。
嬉しそうではない。睨んでいる。
その後に号泣。床には『ソフィ愛している』の手紙。
大人ソフィ
20年後のソフィがちょくちょく出てくる。カラムの踊るレイヴ会場にいる。
大人ソフィには家族がいる。同性のパートナーがいて子供もいる。
カラムとの旅で絨毯を見るシーンがある。金がないのに買ってあげる。
この絨毯を大人になっても使っている。
20年後、旅のカラムと同い年になった。ビデオを見て当時のカラムの気持ちを想像している。レイヴ会場でカラムを見ているのは気持ちがわかってきたから。
美しいラスト
ラストシーンがすごい。
旅の最後の夜、ディナーの後。カラムとソフィはダンスをする。曲は【アンダープレッシャー】
楽しそうに踊る。
ちょくちょくと入るレイヴのシーンと重なる。
レイヴではカラムが踊っていて、大人のソフィが近づいていく。
ソフィが抱きしめるとカラムは泣き出す。その後カラムは離れていく。
場面変わって旅のお別れ。ソフィに手を振りビデオを止めるカラム。そのままレイヴの会場へ進んでいく。
ラストのダンスシーン。アンダープレッシャーの歌詞が一致しすぎ。歌詞に注目して観てほしい。
センスある演出
思い出しているからなのか映像もすごい。
カラムが「30歳まで生きれると思わなかった」と言うシーン。
カラムの顔が画面の端にあって表情が見えない。画面の中央に顔が映らない。
部屋でビデオを撮るシーン。映像は冒頭で流れる。ビデオを止めた後続きがある。
映像の止まったテレビとか鏡とかに反射で映るカラムやソフィ。計算された映像になっている。
最後の晩御飯で写真を撮る。ポラロイド写真で画像が浮かび上がってくるのを見せながら会話が進んでいく。これもいい。
Tender
チェスしたり話したりの場面で流れる。
良い曲だからメモ。
感想
良かった。2回目の視聴。
鬱なことを知って観る。心が痛い。
何気ないセリフが、良かれと思ってやっていることが、追いつめているのでは。
たぶんビデオを見ている大人ソフィもそう思ったに違いない。
鬱だと知って視聴するとカラムの気持ちを考えながら観れる。ソフィと同じように。
つらい話だけどぼくには必要な感情になった。
愛する父親との思い出を振り返る。父親の知らない部分が分かっていく。本当の姿を知っていく。
そんな物語だった。すごい良い映画だから観てほしいし、また観たい。
Tuesday
シャーロット・ウェルズ監督の短編映画。学生の時撮った。
これがアフターサンの原点。どうやら父親が亡くなっていて、心に空いた穴に向き合う。
的な話。字幕ないからわからん。英語ワカラナイ。
アフターサンの姉妹作だからチェックして。
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